CFPが考える介護のリアル

CFPが「介護のリアル」についてデータ等を用いて解説します

「在宅介護」の負担と課題って?

前回のブログでは「在宅介護」の限界はどこにあるのかを解説しました。今回は「在宅介護」がもたらす問題点についてみていきたいと思います。

 

<介護者は誰?>

「在宅介護」を行うにあたり、介護する人「介護者」は誰なのでしょうか?こちらは要介護者等と続柄別主な介護者の構成割合のグラフです。

出典:厚生労働省国民生活基礎調査の概況」(2019年)を編集

 

こちらのグラフをご覧いただくと分かる通り、「在宅介護」を担う介護者の半数は同居親族です。やはり「介護」をするに当たっては、「同居」していないと難しいということですね。

前々回のブログで「在宅介護」には3種類あると解説しました。その中で「近距離介護」や「遠距離介護」を選択している方の多くが、このグラフでいう別居の家族等にあたります。

 

<介護者のストレスは?>

容易に想像がつくと思いますが、「介護」を担うことでストレスを感じる人が多くいます。特に「同居」して介護を担っている場合、ストレスを感じる事が多いのではないでしょうか。

そこで、同居の主な介護者の悩みやストレスの状況がこちらです。

出典:厚生労働省国民生活基礎調査の概況」(平成28年

 

この調査結果から分かる様に、同居して介護を担っている多くの方が、「介護」に関するストレスを感じています。むしろ、ストレスが無いと回答されている方がいらっしゃる事に驚きを感じます。

 

<在宅介護の負担とは?>

それでは、「在宅介護」をするにあたって「負担」に感じることは何なのかをみていきます。「在宅介護」には3つの負担があります。

1.『肉体的負担』

1つ目は「肉体的な負担」です。

要介護者をベッドから車いすに移動させたり、着替えさせたり、入浴の手助けをするのは、とても体力がいります。

最近は「夫」の介護をする「妻」が増えていて、自分よりも体重の重たい「夫」を支えるのには体力がいります。「夫」と「妻」は同じ様な年齢であることも多く、自分の体力が衰えてきている中で、「夫」の体重を支えるというのはかなりの重労働になります。

こうした中で、腰痛を発症してしまったり、ケガをしてしまったりすることも多くあります。

また、睡眠不足や過労で倒れてしまうこともあります。これはたとえ「介護者」が若かったとしても言えることです。

2.『時間的負担』

2つ目が「時間の負担」です。

介護をする人は、自分の日常生活に加えて介護をする時間を作らなくてはいけません。仕事をしている場合は、仕事の時間と自分の日常生活の時間に加えて、介護をする時間も作らなくてはいけないのです。

その結果、仕事を続けることが難しくなり、仕事を辞めなくてはいけなくなる場合もあります。これはまた別のブログで解説する予定ですが、「介護離職」という大きな問題に発展してしまうことも多々あります。

そして自分の時間が全くとれなくなり、ストレスがさらに増してしまいます。

3.『精神的負担』

3つ目が「精神的な負担」です。

24時間365日、休みなく介護する必要があるという現実が負担になることも多い様です。子育ても同じことが言えますが、子どもはある程度まで成長したら、負担は少なくなります。24時間365日気にかけていなくてはいけないというのは、せいぜい小学校に入るまでぐらいでしょうか。子育ての場合はゴールが見えているので、精神的な負担は介護ほどではありません。

また、要介護者が認知症の場合は、コミュニケーションをとることが難しく、精神的に大きな負担となります。

こうした状況が長く続くことで、介護をする側の精神がすり減ってしまい、心を病んでしまうことがあります。ゴールが見えないというのは、精神的にはかなり負担となるのです。

 

<肉体的負担を軽減するには?>

肉体的、時間的、精神的負担の中で、「肉体的」な負担を少し軽減できる方法を考えてみました。それがこちらです。

着る、筋肉。マッスルスーツEvery(エブリィ)

前述の通り、「介護者」は「腰」にとても負担がかかります。「要介護者」はどんなに軽くても40キロはあるのではないでしょうか。灯油1缶が18キロです。灯油2缶でも36キロ、「要介護者」はそれ以上に重いのです。

そこで、一時CM等でも話題になったこちら、

着る、筋肉。マッスルスーツEvery(エブリィ)

これを着用すると、だいぶ負担が軽くなるそうです。

「介護者」が身体を壊してしまっては「在宅介護」を続けることはできません。こういった文明の機器を使用して、少しでも負担を減らすことが大切なのではないでしょうか。

 

<まとめ>

この様に、「在宅介護」をするにあたっては、介護をする人に大きな負担がかかります。

これまで親にはいろいろと負担をかけてきたのだから、親が「在宅」で介護をしてほしいというのであれば、その希望を叶えてあげよう、と思う方もいるでしょう。

親戚などの周りの目を気にして、「夫」の面倒は「妻」である私が見なくては、と思う方もいるでしょう。

しかし「介護」はいつまで続くか分からず、生半可な大変さではありません。少しでも辛いと思うのであれば、全部自分で抱え込まずに第三者の力を借りるべきではないでしょうか。人間は大きなストレスがかかると認知症を発症してしまうことがあるそうです。人生100年時代と言われる現在、健康で長生きしなくてはいけないのです。

健康な人が、「介護を担う」ことで「要介護状態」になってしまっては意味がありません。人の気持ちや周りの目を気にすることも大切ですが、まずは「自分」が人生100年時代を「健康」で暮らしていける様に気を配ることが大切だと思います。

とはいっても「在宅介護」を選ぶ方もいらっしゃいます。次回のブログでは、「在宅介護」の疲れを軽減する為にはどうしたらいいのかについて解説したいと思います。是非次回もご覧ください。