CFPが考える介護のリアル

CFPが「介護のリアル」についてデータ等を用いて解説します

「在宅介護」の限界は?認知症も要因に?

前回のブログでは「介護施設」の種類を解説しました。今回は「施設介護」の現状をデータを基に見ていきたいと思います。

 

<施設介護考える要介護度は?>

介護する家族等がいる場合、まずは「在宅介護」にて介護サービスを利用することから始める方が多いと思います。しかし、「要介護度」が進むにつれて「施設介護」を検討し始めます。そこで、どれぐらいの「要介護状態」になった際に、「施設介護」を検討したり、申請したりするのかを見てみましょう。

出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「全国の在宅介護実態調査データの集計・分析結果(概要版)」(令和2年8月)

 

こちらは、要介護度別・施設等検討の状況のグラフです。

こちらを見ると、「要介護度」が高くなるにつれて、「施設介護」を検討する人が多くなっていることが見て取れます。

特に「要支援2」から「要介護1」、「要介護2」から「要介護3」のタイミングで、上昇率が高まっています。

これは「要介護1」や「要介護3」といった入居条件がある施設があるからと考えられます。

【LIFULL介護】

 

<「在宅介護」か「施設介護」か>

介護者が介護を行った場所、すなわち「在宅介護」を選択したか「施設介護」を選択したかを見てみましょう。

出典:生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」(2021年度)

 

こちらは、介護を行った場所を「要介護度」別に表したグラフです。

やはり「特別養護老人ホーム」に入居できる「要介護3」以上になると、「施設介護」を選ぶ人が多くなる様です。

【LIFULL介護】

 

<「介護施設」に入居する時の状況は?>

それでは実際に、「施設介護」を選択する時の要介護度を見てみましょう。

出典:LIFULL senior「介護施設入居に関する実態調査」

 

こちらは、被介護者の施設入居前の介護度の状況を表したグラフです。

こちらを見ると、介護施設に入居するとなると介護度が重たいから入居すると思われがちですが、実際は半数以上が「要介護2」以下で入居していることが分かります。

【LIFULL介護】

 

認知症の人は在宅介護できない?>

「在宅介護」を行っている方が「施設介護」を検討し始める時に、「認知症」の症状の有無というのが大きく関わっている様です。

そこで、「介護施設」に入居する前に「認知症」の症状が有ったか、無かったか、を見てみましょう。

出典:LIFULL senioe「介護施設入居に関する実態調査」(2020年11月)

 

こちらを見て分かる通り、「介護施設」に入居する時に多くの人が「認知症」の症状があった様です。

その「認知症」の症状はどの様なものかというとこちらです。

出典:LIFULL senioe「介護施設入居に関する実態調査」(2020年11月)

 

「物忘れ、記憶力の低下」「理解力、判断力の低下」等の症状が見られると、「在宅」で介護をすることは難しくなってくるのかもしれません。

以上のことから「介護施設」へ入居を検討した人のうち、8割の人に「認知症」の症状がありました。認知症の症状が出てくると、介護の負担がより増えるということが分かります。

認知症」についてはまた別のブログで掘り下げていきたいと思います。

 

<まとめ>

介護を担うことが出来る家族等がいる場合、まずは「在宅介護」を行う方が多いと思います。しかし、「要介護度」が重たくなったり、「認知症」の症状が出てきた場合、「在宅介護」から「施設介護」への移行を検討される方が多い様です。

【LIFULL介護】

 

前回のブログでも解説しましたが、もう「在宅介護」を行うことが限界なので、「施設」を探そうと思っても、条件に合う施設はすぐには見つかりません。

もしかしたら「施設介護」を選択するかもしれない、ということを念頭に置きながら、例え「在宅介護」を行うことに問題がなかったとしても、「施設介護」につい検討を始めた方がいいのかもしれません。

最近は、インターネットで【LIFULL介護】手軽に知らることもできます。

次回は「施設介護」のメリットとデメリットを解説したいと思います。是非次回もご覧ください。