老老介護とは?なんで老老介護が増加しているの?
「老老介護」という言葉を聞いたことはありますか?最近ニュースなどでよく耳にする様になってきたのでご存じの方も多いと思います。
以前のブログで、高齢者人口が増えているということを解説しましたが、高齢者人口が増えることでこの「老老介護」も増えているのです。
そこで今回はこの「老老介護」が増えている原因というのを見ていきたいと思います。
<老老介護とは?>
老老介護とは、65歳以上の高齢者を、65歳以上の高齢者が介護している状態をいいます。
例えば、75歳の夫を70歳の妻が介護していたり、85歳の親を65歳の娘が介護していたり、というケースです。
高齢化の進展に伴い、要介護者が増加し、介護する側の深刻な実態が浮き彫りになっています。
<老老介護の実態は?>
それでは「老老介護」の実態はどの様な感じなのでしょうか。
こちらは、要介護者等と同居の主な介護者の年齢組み合わせ別の割合の年次推移を表したグラフです。
このグラフを見て分かる通り、2019年は、60歳以上の要介護者を60歳以上の介護者が介護している割合が74.2%、65歳以上の要介護者を65歳以上の介護者が介護している割合が59.7%、そして、75歳以上の要介護者を75歳以上の介護者が介護している割合が33.1%となっています。
3割以上のご家庭で、75歳以上の人が75歳以上の人を介護しているんです!
2001年にはその割合は18.7%だったことを考えると、この先もどんどん増えていくことが予想されますね。
<老老介護増加の原因は?>
それではなぜ老老介護が増えているのかを見ていきましょう。
①平均寿命と健康寿命の差が大きくなっている
医療の進歩に伴って、日本人の平均寿命は年々伸びていますが、「健康寿命」と「平均寿命」との差が目立つ様になってきました。
「健康寿命」とは、介護無しで日常生活を営める期間のことで、健康寿命と平均寿命の差は、そのまま「要介護期間」という事もできます。
現在の「健康寿命」と「平均寿命」はこの様になっています。
出典:厚生労働省「健康寿命の令和元年値について」(令和3年12月20日)
このグラフを見て分かる通り、男性は健康寿命と平均寿命の差が8.73年あります。女性は12.06年あります。すなわち、男性は約9年、女性は約12年、「要介護」の期間があるということです。
親の介護が始まった時には50代だった子供が、介護を続けていくうちに60歳を超え、老老介護に突入するという状況が起こります。
介護施設を利用するための準備をしても、介護者に比較的体力がある年齢の場合は、入所の順番待ちをすることになり、待っている間に老老介護に突入してしまうケースも考えられます。
②核家族化の伸展
最近、サザエさんに見られるような、親と同居している人は少なくなってきました。周りを見てみても、2世帯や3世帯一緒に暮らしている人は、なかなか見つけられないのではないでしょうか。
一般世帯の家族類型別割合の推移はこの様になっています。
このグラフを見て分かる通り、核家族化が進んでいます。子ども世帯と別居する世帯が増えた為、子どもが遠くに住んでいるなどの理由で、子どもに助けてもらうことが出来ず、高齢夫婦で老老介護を余儀なくされているのです。
また、最近はわが子に迷惑をかけたくない、と考える親も多い様です。
③他人に助けを求めることへの抵抗感を感じる
他人に助けを求めることに負い目を感じたり、他人を家に入れることへの警戒心がある人も多くいます。
昔は、近所の人が玄関を開けて普通に家の中に入ってきていましたが、今では近所づきあいも希薄となり、そんなことは滅多にないのではないでしょうか。
また、介護は入浴や排泄など、デリケートな領域もケアするので、第三者に任せることに抵抗を感じる人もいるようです。その為、介護ヘルパーでさえ家に入れたがらない人もいます。
④金銭的な理由
介護サービスを利用するには、最低でも1割を自己負担しなくてはいけません。介護施設に入居するのにも、お金がかかります。
その為、金銭的な理由から介護サービスを利用したくても出来ないご家庭の場合、仕方なく夫が妻を介護する、妻が夫を介護する、ということになります。
⑤現行の介護保険制度の問題
現行の公的介護保険制度は、「強い介護者」をモデルとして作られています。
どういうことかというと、現行の介護保険制度は、介護者として「若くて体力があり、時間に余裕がある家族」を想定しています。要するに「同居している無職の嫁」などを介護者として想定しています。その為、家事援助などの軽いサービスは、不要であると想定されているんです。
<まとめ>
以上のことから、「老老介護」はどんどん増えています。
次回のブログでは「老老介護の実態」と、「老老介護の問題点」を見ていきたいと思いますが、「老老介護」はこれからさらに増えていくと考えられます。国が画期的なサービスを開始しない限り、これは避けられない現実です。
現行の介護サービスは、要介護者の身体に関わることしか助けてもらえません。例えば、介護者のごはんを作ってもらったり、介護者が寝起きする部屋を片付けてもらったり、介護者の服を洗濯してもらったりは出来ないのです。
金銭的に余裕があるのであれば、家事代行サービスを利用してなるべく介護者の負担を減らすことも考えてみるべきだと思います。
例えばこちらのサービス、
WEBから1分で予約可能。お財布と心が笑顔になる家事代行サービスCaSy
スマホから24時間予約することができます。介護を担っている親に対して、同居していない子どもからプレゼントしてみてもいいかもしれません。
子どもが遠くに住んでいる場合、自分が帰省するよりも安い金額で家事代行サービスを親にプレゼントすることもできます。
この様なサービスを積極的に活用して、介護者の負担を減らすことを検討してみてください。