CFPが考える介護のリアル

CFPが「介護のリアル」についてデータ等を用いて解説します

老老介護の実態は?老老介護の問題点は?

前回のブログでは、老老介護増加の原因について解説しました。老老介護はこれからどんどん増えていくと考えられます。

そこで今回は、老老介護の実態並びに、老老介護の問題点をみていきたいと思います。

老老介護の実態は?>

まずは老老介護の実態を見てみたいと思います。

こちらは要介護者等との続柄別主な介護者の構成割合です。

出典:厚生労働省国民生活基礎調査の概況」(2019年)

 

こちらを見て分かる通り、介護者はやはり配偶者が一番多く、次いで子、子の配偶者となります。多くの場合、高齢者の配偶者は高齢なので、老老介護になってしまう訳です。

次に、要介護度別にみた同居の主な介護者の介護時間の構成割合を見てみましょう。

出典:厚生労働省国民生活基礎調査の概況」(2019年)

 

こちらは介護者が介護に割いている時間のグラフです。要介護3になるとほとんど終日介護に充てている人が約3割、要介護4になると約5割、要介護5になると約6割となります。介護度が重たくなればなるほど、介護に充てる時間が増えていきます。

もし要介護5の夫を介護している妻、もしくは要介護5の妻を介護している夫がいるとすると、ほとんどの時間を介護に費やしているということですね。その人が高齢者だとしたら、身体的にかなりきついのではないでしょうか。

 

老老介護の問題点は?>

それでは最後に、老老介護の問題点をみていきましょう。

①介護者の肉体的な負担が増える

介護される人を抱きかかえる際に腰を痛めたり、一緒に転倒してしまうこともあり、介護者が介護できない状態になってしまうことがあります。

妻が夫を介護している場合などは、夫の方が体重が重たいこともあり、妻の腰痛は深刻な問題です。

その場合は、こういったものを使うのも1つの手ではないでしょうか。

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②介護者のストレスから要介護者への虐待行為に結び付くことがある

介護者がほとんど1人で介護を担っている場合、介護者にはとてもストレスがたまります。ストレスのはけ口が要介護者への虐待となってしまうこともあります。

 

③「共倒れ」状態になることがある

肉体的、精神的な限界がきて、要介護者とともに介護者が共倒れ状態になってしまうことがあります。

 

④強いストレスが認知症を引き起こすという研究結果がある

要介護者に付きっ切りで介護していると、社会的つながりが減り、コミュニケーション不足や運動不足に陥りやすく、脳の機能が低下して介護者自身も認知症を発症する場合があります。その結果、老老介護から認認介護になってしまう場合があります。

 

⑤介護する人がいなくなる

介護者も高齢の場合、介護者が先に亡くなってしまうこともあります。そうすると、介護する人がいなくなってしまいます。

 

⑥介護にかかる時間が増加する

高齢者は、若い人と比べて体力がないことから、介護にかかる時間が長くなる可能性があります。

こういったもの着る、筋肉。マッスルスーツEvery(エブリィ)を活用して、介護にかかる負担を減らすことを検討してみるのも1つの解決策です。

 

⑦介護者の社会的接点の減少、閉じこもりにつながる

介護にかかる時間が増えたり、家を空けづらくなったりすることで、介護をする人と社会とのつながりが減少するケースもあります。

社会的ネットワークが弱くなると、介護をする側の精神状態に悪影響を及ぼしたり、介護する側とされる側の孤立を招いたりします。

 

⑧介護者がうつ状態になる

身体的な負担の大きさや、将来への不安が精神的な負荷につながることで、抑うつ状態になってしまうこともあります。

 

<まとめ>

このように「老老介護」には問題点がたくさんあります。

介護殺人や介護心中という悲惨な事件は、老老介護であったために起こったものが少なくなく、老老介護の問題点を浮き彫りにしています。

このような問題が起こる前に、元気なうちから要介護状態になった時の対応について、家族間でよく相談しておく必要があります。

ここまで「老老介護」について見てきましたが、次回は「老老介護」と同じぐらい問題になっている「認認介護」について見ていきたいと思います。