CFPが考える介護のリアル

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「認認介護」の問題点は?生活は成り立つ?

前回のブログでは「認認介護」とはどういう状態で、どうして「認認介護」状態になってしまうのかを解説しました。

「認認介護」には様々な問題があります。そこで今回は「認認介護」の問題点を見ていきたいと思います。

 

<認認介護の問題点は?>

必要な世話をしたか分からなくなる

認知症の人が認知症の人を介護することで、お互いに薬を飲んだかが分からなくなることがあります。

服薬管理が出来ないと、飲み忘れや飲みすぎで体調を崩してしまい、場合によっては命に係わる状態に陥ることがあります。

 

過食・低栄養に陥ることがある

好きな物ばかりを用意することで栄養が偏ります。

また、食べたことを忘れてさらに食べてしまい、過食になってしまうこともあります。

おなかが空かなくて食べないことで、低栄養に陥ることがあります。

 

生活環境を維持できなくなることがある

光熱費などの支払いを忘れてしまったり、掃除ができずに家の中がぐちゃぐちゃになってしまうことがあります。

 

火事や事故等の危険が高まる

火の不始末により火事を起こしてしまうことがあります。

また、外を徘徊することで事故にあうこともあります。

 

緊急事態に対応できない

緊急時にどこに連絡したらいいかが分からないことがあります。

さらには、緊急だということ自体が分からないことがあります。

 

詐欺のターゲットになりやすい

悪徳商法や詐欺のターゲットになる可能性が高くなります。

また、詐欺にあったことが分からない場合もあります。

 

お金の管理が難しい

口座からお金をおろしすぎて、光熱費等の引落ができなくなることがあります。

また、暗証番号が分からなくなって、お金が引き出せないこともあります。

 

この様に、「認認介護」には様々な問題があります。さらに、どの問題も生活していくのに支障をきたす問題なのです。

 

<まとめ>

認知症の人は、コミュニケーションがうまくとれないことがあり、力づくでなんとかしようと思い、事故や事件につながることがあります。

また、認知症の介護者は、自分が何をしているのか、何をしたのか認識できないまま、加害者になってしまうこともあります。

高齢化が進み、老老介護が増えている日本では、認認介護はこのままどんどん増えていくと考えられています。

家族や地域とのコミュニケーションが希薄になってきていますが、認認介護を防ぐには、家族や地域とのコミュニケーションが大切です。とはいっても、なかなか難しいですよね。

認認介護は、解決することが難しい本当に深刻な問題です。認認介護への対策を早急に考える必要がありますね。