CFPが考える介護のリアル

CFPが「介護のリアル」についてデータ等を用いて解説します

「在宅介護」で限界を超える前にやりたいこと

前回のブログでは「在宅介護」を行う上での3つの負担について解説しました。今回は「在宅介護」で限界を超えない為にはどうしたらいいのか、「在宅介護疲れ」を軽減するにはどうしたらいいのかを解説します。

 

<在宅介護疲れを軽減するには?>

「在宅介護」を行うことは、本当に大変だと思います。要介護者の要介護度が重い場合は、その人の「命」を預かっているといっても過言ではなく、ずっと神経を張り詰めていなくてはいけないこともあります。

更に、要介護者が認知症を発症している場合で、徘徊してしまう場合は、ずっと見ていなくてはいけないかもしれません。

前回のブログで解説したとおり、多くの介護者は在宅で介護することに対してストレスを感じています。そこでこの「ストレス」や「疲れ」を軽減する方法を考えてみたいと思います。

✓友人・知人などに相談する

「悩み」や「疲れ」を相談できる友人・知人がいる場合は、思いの丈を聞いてもらうだけでも心は軽くなります。話してみたら、同じ悩みを抱えている人もいるかもしれません。中には、適切なアドバイスをくれる人もいるかもしれません。

「こんな話をしてしまったら嫌がられるかな?」と思ってしまい、相談することをためらってしまうことがあるかもしれませんが、話してみたら案外親身に相談に乗ってくれるかもしれません。介護の当事者ではないが故に、客観的なアドバイスをもらえるかもしれません。

限界を超える前に、一度友人や知人に相談してみてください。

 

✓介護のプロ・専門家に相談する

介護のプロや専門家に相談することで、適切なアドバイスをもらえる可能性が高いでしょう。例え適切なアドバイスがもらえなかったとしても、「介護」の現状を良く分かっている人に話しを聞いてもらえれば、心の負担が軽くなります。

悩みは抱え込まないことが大切です。「どうせ現状は改善されないのだから、話してもしょうがない」と思いがちですが、話しをするだけでも心は軽くなります。一度介護のプロに思いの丈をぶつけてみましょう。

 

✓介護サービスを利用する

要介護者の「自宅」にいたいという想いを重視するあまり、ずっと自宅で介護をしなくてはいけないと思いがちですが、たまには「介護サービス」の利用を検討することも一つの手です。

「デイサービス」や「ショートステイ」を利用して、少し休む時間を取りましょう。デイサービスやショートステイの利用を嫌がる要介護者もいるかもしれません。しかし、無理を続けて「介護者」がもし倒れてしまったら、要介護者は結局施設に入居しなくてはいけなくなってしまいます。

その様な最悪な事態を避ける為にも、要介護者と話し合って「デイサービス」や「ショートステイ」を利用してみましょう。時には要介護者に我慢をしてもらうことも必要です。

 

介護保険サービス・ケアプランを見直す

同居の家族が「在宅介護」をしていても、「介護サービス」は利用できます。公的介護保険制度の上限いっぱいまで「介護サービス」を利用していない場合は、もう少し「介護サービス」の利用を検討してもいいかもしれません。

特定の介護者だけに「介護」の負担がいかない様に、負担に思っている部分については遠慮せずに「介護サービス」を利用しましょう。

「公的介護保険」制度の上限を超える場合でも、全額自己負担することで「介護サービス」を受けることができます。金銭的に余裕がある場合は、上限額を超えてでも「介護サービス」を受けられるケアプランにすることも一つの手です。

 

✓文明の利器を頼る

現在、「介護」に役立つ文明の利器がたくさんあります。

「見守りカメラ」を利用すれば、ずっと要介護者の側にいる必要はなくなります。「見守りカメラ」というと、インターネットに接続しなくてはいけなかったり、接続が難しそうで使用するのをためらう方もいらっしゃいますが、例えばこの「見守りカメラ」

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離れて暮らすご両親の様子がわかり安心!SIMカード内蔵【みまもりCUBE】

は、インターネット接続が不要で、コンセントにさすだけですぐにスマホからライブの映像を見る事ができます。さらに、場合によっては「公的介護保険」制度の対象となる場合があります。

「ドアを開ける」という動作を登録しておくことで、「ドアを開けた」際に通知を送ることも出来るので、認知症の方で徘徊してしまう場合、部屋を出て行ってしまった場合にすぐに気づくことが出来ます。

また、要介護者をベッドから車いすに移動させたり、抱きかかえて起こしたりする場合、介護者の体にかなりの負担がかかります。自分より体重が重たい人を介護する場合は、その負担は想像に難くありません。そんな時にはこちら

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着る、筋肉。マッスルスーツEvery(エブリィ)

身体の動作を補助してくれる、夢のような機器があります。こちらは、充電等の電気が不要なので、使いたい時にすぐ使うことができる優れものです。

この2つはほんの一例ですが、人の力だけでなんとかしようとせずに「文明の利器」を活用してみましょう。大介護時代を迎える日本において、このような文明の利器はこれからもたくさん開発されていくと思います。

 

レスパイトケアとは>

介護者が休息をとることを「レスパイトケア」と言います。

「レスパイト」とは、小休止、息抜きなどを意味する言葉です。一時的に「介護」を代行し、介護者に休息の時間をとってもらうことを言います。

前述した様に、「ショートステイ」や「デイサービス」を活用して、要介護者に施設に行ってもらっている間、介護者は休むことが出来ます。

レスパイトケア」は、「在宅介護」が崩壊しないための大きな柱となります。

 

<まとめ>

要介護者の「自宅」で過ごしたいという希望を叶えたいが為に、介護者は大きな負担やストレスを抱えてしまいます。介護はゴールが見えない長い闘いです。「在宅介護」を長く続けていく為には、「介護者」が我慢をしない事が大切です。

話しを聞いてもらったり、休息をとったり、文明の利器を利用したりして、「要介護者」と「介護者」がお互いに心穏やかに暮らして行けるようにしたいものですね。

次回は、「在宅介護」のメリットとデメリットについて解説したいと思います。是非次回もご覧ください。