CFPが考える介護のリアル

CFPが「介護のリアル」についてデータ等を用いて解説します

「施設介護」のメリット・デメリットは?

前回のブログでは、様々なデータから「施設介護」に至る「要介護度」について見ていきました。そこで今回は、「施設介護」のメリットとデメリットを見ていきたいと思います。

 

<「施設介護」のメリットとは?>

介護のプロに任せられる

施設に入居することで、介護のプロが介護にあたってくださいます。その為、要介護者は質の高いサービスを受けることが出来、それが要介護者やその家族の安心感につながります。

【LIFULL介護】

 

家族以外の人と交流でき、社会性を保てる

「在宅介護」では、要介護者と接する人の大部分が「家族」になってしまいますが、「施設介護」では家族以外の人と接触する機会が多くなります。

その為、家族以外との接触が刺激となり、病状の進行を遅らせることができることがあります。

【LIFULL介護】

 

介護をする側の「時間的」「精神的」「肉体的」な負担が軽減できる

これは言うまでもありませんが、介護者である家族の「時間的」「精神的」「肉体的」負担を軽減できます。

要介護者の「自宅で最期を迎えたい」という希望を叶える為に、介護者が様々な負担を抱えて「在宅介護」をしている事が多いですが、「負担」が重たくなりすぎると介護者が倒れてしまうこともあります。

介護者が倒れてしまえば、要介護者も生活が成り立たなくなってしまいます。いわゆる「共倒れ」です。要介護者の希望を叶えたいという気持ちはとても分かりますが、介護者が倒れる前に「施設介護」へ移行することも検討した方がいいと思います。

【LIFULL介護】

 

緊急時にすぐに対応できる

容態が急変した際などでも、「在宅介護」では難しいケアを迅速に受けることができます。

介護施設」によっては、医師や看護師が24時間駐在している場合があります。医療的なケアが必要な要介護者の場合、「在宅介護」よりも安心できることが多い様です。

【LIFULL介護】

 

<「在宅介護」のデメリットとは?>

24時間いつでも自由に会えない

介護施設」では、要介護者と面会できる時間が決まっている場合があります。「在宅介護」では24時間いつでも要介護者と会うことが出来ますが、「施設介護」ではそうはいきません。

さらに、昨今のコロナ禍において、面会の制限を設けている場合もあり、面会ができない場合もあります。

 

制約の多い生活を強いられる

「施設介護」では、食事や入浴など様々な事に対して時間が決められています。

突然「入浴」したくなったとしても、好きな時間に入浴することは出来ません。

食事をする場所など、他の要介護者と共有するスペースでは、部屋の温度を好きな温度に設定することも出来ません。

この様に、自分の想い通りになることが少なく、集団生活によるストレスを感じることがあります。

 

費用負担が多い

介護施設」に入居する為には、多かれ少なかれ「費用」がかかります。

月々の費用だけでなく、入居する為に一時金が必要な施設もあります。

「在宅介護」と「施設介護」で同じ「介護サービス」を受けるとしても、「施設介護」の方が費用負担が重たくなることがあります。

 

<「在宅介護」と「施設介護」の費用の違いは?>

「施設介護」のデメリットの1つとして「費用負担が多い」ことを挙げました。それでは実際に「在宅介護」と「施設介護」で費用負担は異なるのでしょうか?

出典:生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」(2021年度)

 

こちらは、月額の介護費用を「在宅介護」と「施設介護」で調査した結果です。

赤枠で囲ったところをご覧いただくと、「在宅介護」では1万円~7万5千円が多いですが、「施設介護」では10万円~15万円以上が多い様です。

やはり「施設介護」のネックは「費用」ということです。

 

<まとめ>

前回、今回と、「施設介護」の現実を様々なデータとともに見てきました。

介護者が働いていたり、要介護者の介護度が重たい場合は、「在宅介護」には限界があり、多くの方が「施設介護」を選択しています。

「在宅介護」も「施設介護」も一長一短があります。

それぞれのご家庭の状況に合わせて、要介護者と介護者、双方の負担が軽くなる適切な方を選べるようにしたいですね。

【LIFULL介護】

 

次回は最近よく話題になる「介護離職」について考えてみたいと思います。是非次回もご覧ください。